抄録
中心静脈穿刺は,初期臨床研修医が学ぶべき基本手技の一つに定められている.一方,中心静脈穿刺の手技は,従来のランドマーク法より超音波ガイド下に穿刺する方が,安全かつ円滑に行えるというエビデンスが確立し,手技の普及が期待されている.超音波ガイド下中心静脈穿刺の普及には,手技の標準化,教育方法および各医療機関での運用を含めた教育システムの構築が急務であると考える.特に教育方法においては,インストラクターの養成や教育機材の充実が必要である.中心静脈穿刺の教育システムの構築には問題が山積しているが,不幸な事故を未然に抑止するため,今まさに取り組むべき時期に来ている.