2011 年 31 巻 2 号 p. 341-346
スワンガンツカテーテルはベッドサイドで簡単にCO,SvO2,PCWP,CVPがモニタリングできる多機能なカテーテルである.ハイリスク患者において,スワンガンツカテーテルによる循環動態への介入は予後を改善させずに,合併症のリスクを増大させる危険性があることが指摘されている.しかし,肺高血圧症,心原性ショック,両心不全の診断・治療ツールとして現在でも推奨されており,ハイリスク患者の輸液管理においても病態を選択すれば,今後も重要なモニタリングとして輝き続けるであろう.そのためには安全な穿刺方法と正確な知識の獲得を目的としたトレーニングを普及させることが重要である.