日本臨床麻酔学会誌
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短報
右外頚静脈から肺動脈カテーテルを挿入した左上大静脈遺残の1症例
佐藤 浩司堀口 剛西川 俊昭
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2011 年 31 巻 7 号 p. 999-1002

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抄録
  左上大静脈遺残(persistent left superior vena cava:PLSVC)は,胎生期の左前主静脈が退化しないために生ずる奇形で通常無症状であるが,カテーテルの冠状静脈洞の通過時に重大な不整脈を起こすことがある.43歳,女性.僧帽弁置換術が予定された.PLSVCが指摘されていた.左右の上大静脈に交通はなかった.頚部超音波検査(エコー)で確認せずに穿刺したところ,右内頚静脈から肺動脈カテーテルを挿入できなかった.右外頚静脈から挿入し留置できた.エコーを施行せず穿刺したことは反省すべきである.PLSVC患者では,右内頚静脈穿刺に失敗した場合,右外頚静脈が選択肢の1つとなりうる.
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© 2011 日本臨床麻酔学会
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