抄録
食道癌術後に,右膿胸,肺炎を合併した症例に対し,気管切開を施行し,人工呼吸を継続した.その後,左気胸を併発したため,気管切開孔用二腔気管支チューブを使用して,左右の肺を異なった条件で換気して治療することができた.両肺の病態が異なる場合に,不全側肺の酸素化改善を目的とする高圧換気を行うと,健常側が過膨張となり,圧損傷を受ける可能性がある.そのため左右の肺を異なった条件で換気すべきである.しかし,気管切開患者で長期に二腔気管支チューブを使用する際には,チューブ固定が不安定になるなど管理にはより注意が必要となる.