抄録
腰下肢痛を訴えてペインクリニックを訪れる患者は増加しており,報道から情報を得て,エピドラスコピ-を希望する高齢者も多い.今回,85歳以上の2症例に本手術を施行した.いずれも,主訴は両側腰痛,両足のしびれが主であり,腰椎MRIで腰部脊柱管狭窄症が認められた.手術所見では,両者とも癒着が強く,強力な癒着剥離が必要であった.術後,1症例は痛みとしびれのため,他の1症例は下肢脱力のため,回復に時間を要したが,腰痛は改善し,両者とも満足度は高かった.85歳以上の高齢者にエピドラスコピーを施行する際には,十分な説明のもと,病態,患者の置かれた環境などを鑑みて適応を決めること,また手術を丁寧に施行することが重要である.