抄録
エピドラスコピーを計画した難治性腰下肢痛患者を対象に多施設共同研究を行い,6ヵ月後までの有効性と合併症を調査した.その結果,腰痛,下肢痛,下肢しびれ,ADL障害,旧JOAスコア,日本語版Roland-Morris Disability Questionnaireのいずれも術前と比較して6ヵ月後まで有意に改善した.エピドラスコピーは,腰椎の手術歴の有無にかかわらず難治性腰下肢痛に有効である.特に,手術歴がない群は手術歴がある群と比較して有効性が高かった.術中合併症は頭痛・頚部痛37%,次いで腰下肢痛7%であった.術後合併症は創部痛4%,そのほか一過性の下肢運動障害や膀胱直腸障害,頭痛,高血圧,嘔気の訴えが1~2%に記録されたが,重大な合併症は観察されなかった.