2012 年 32 巻 4 号 p. 501-506
近年は小児でも末梢神経ブロックが普及し,硬膜外麻酔の適応は減少している.しかし,Nuss法手術など術後疼痛が強い場合には,硬膜外麻酔はよい適応となる.小児で硬膜外麻酔を施行する上では,解剖学的な理解,体格に合わせた穿刺針の使用,慎重な運針が重要となる.われわれは硬膜外腔確認法として,点滴法を用いている.点滴法では,硬膜外針を両手で安定して保持できるなどの利点がある.皮膚から硬膜外腔までの距離は体格により大きく異なるが,体重をもとにした予測式や実際の超音波画像から穿刺前に求めておく.小児では仙骨麻酔が頻用されるが,仙骨裂孔の同定が難しい場合は,仙椎椎間からのアプローチも可能である.