日本臨床麻酔学会誌
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周術期の危険な不整脈診断のポイントと抗不整脈薬の上手な使い方 (第2回)
特殊不整脈・状態と麻酔管理上の抗不整脈対策 (4)移植心と不整脈
入嵩西 毅
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2012 年 32 巻 4 号 p. 611-614

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抄録
  移植心は自律神経の支配が解除された除神経化の状態にある.心拍出量は前負荷に高度に依存するため,循環血液量の減少を避けねばならない.人工心肺の離脱の際には,適切な心拍数と心拍出量を維持するためにペーシングとイソプロテレノールを使用する.心臓移植後の不整脈の発生率は23~79%であり,心房性不整脈が最も多いものである.心臓突然死の発生率は0.5~35%と幅広く,その原因としては心室細動と心静止が最も多い.移植後1年以内の突然死は急性拒絶反応によるものが多く,1年以降では慢性拒絶,すなわち移植心血管症によるものが多い.
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© 2012 日本臨床麻酔学会
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