日本臨床麻酔学会誌
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周術期の危険な不整脈診断のポイントと抗不整脈薬の上手な使い方 (第2回)
特殊不整脈・状態と麻酔管理上の抗不整脈対策 (5)AHAガイドラインから考える致死性不整脈治療
田勢 長一郎
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2012 年 32 巻 4 号 p. 615-619

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抄録
  致死性不整脈は米国心臓協会(AHA)のガイドラインでは,心室細動(VF)/無脈性心室頻拍(VT),“不安定な頻拍” や “不安定な徐脈” に相当する.不安定とは一般的に重要臓器の機能が急性的に障害されている状態か,あるいは心停止中または心停止が起こりかけている状態である.不整脈で患者が不安定になっている場合は,ただちに処置が必要となる.心室細動/無脈性心室頻拍では一次救命処置と心停止後ケアを統合した二次救命処置が必要であり,質の高い胸骨圧迫および電気ショックが不可欠である.一方,不安定な徐脈に対しては経皮的ペーシングの準備ができるまで,アトロピンを投与する.不安定な頻拍に対しては,ただちに同期下カルディオバージョンを行う.
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© 2012 日本臨床麻酔学会
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