日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
周術期の危険な不整脈診断のポイントと抗不整脈薬の上手な使い方 (第2回)
重症不整脈を有する患者の麻酔管理 (2)一時的心臓ペーシングの適応と麻酔管理上の問題点
井上 聡己
著者情報
ジャーナル フリー

2012 年 32 巻 4 号 p. 624-627

詳細
抄録
  周術期の一時的心臓ペーシングは緊急的と待機的に分類され,緊急的な適応には危険な徐脈や徐脈による心室頻拍があげられる.麻酔中の緊急適応は経皮的体外ペーシングの使用が有効である.周術期における緊急的な適応には2枝ブロックと2度房室ブロックがある.術前に心症状のない2枝ブロックに対し予防的ペーシング法の設置は必要ないと考えられる.心症状のある場合は恒久的心臓ペーシングの適応となる.2度房室ブロックに関しては予防的な心臓ペーシングの検討が必要となる.心症状があるなら恒久的ペースメーカー植え込み後に手術となる.手術が急がれるならば一時的に経静脈的心臓ペーシングを留置し手術となる.心症状のない場合は待機的ペーシングの準備と周術期のモニタリングが必要である.
著者関連情報
© 2012 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top