抄録
脳動脈瘤手術においては脳保護と神経モニタリングの施行は重要な課題である.脳保護法としての軽度低体温,バルビツレートなどはいまだ有効性のエビデンスは得られていない.β遮断薬,スタチン,マグネシウムなどの有効性も検討されている.巨大脳動脈瘤などにおけるクリッピング補助手段としてアデノシンが使用されつつあり,安全性について検討されている.術中神経モニタリングとして運動誘発電位と視覚誘発電位などが用いられている.運動誘発電位では運動野刺激法の工夫が重要である.視覚誘発電位も高光度刺激装置と網膜電位の併用により,脳外科手術時のモニタリングとして実用化されつつある.最近の知見について概説する.