日本臨床麻酔学会誌
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症例報告
内視鏡下経蝶形骨洞下垂体腫瘍切除術中の心静止症例
小野寺 悠高岡 誠司小田 真也岡田 真行横尾 倫子岩淵 雅洋川前 金幸
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2012 年 32 巻 5 号 p. 795-797

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抄録
  三叉神経-心臓反射(Trigemino-Cardiac Reflex:以下TCR)は三叉神経知覚枝に対する刺激によって生じる反射であり,主に頭頚部の手術時に生じる.今回,下垂体腫瘍に対し内視鏡下経蝶形骨洞下腫瘍摘出術中,右海綿静脈洞近傍の操作時にTCRのため約20秒間の心静止となった症例を経験した.手術操作を中止することで心拍は再開し,以後の手術中,術後の経過に問題はなかったが,内視鏡下経蝶形骨洞下腫瘍摘出術でもTCRが発生する可能性があり,対処する準備が必要である.
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© 2012 日本臨床麻酔学会
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