抄録
超音波ガイド下中心静脈穿刺は,高い穿刺成功率と低い合併症発生率により,中心静脈穿刺の新たな標準手技であると見なされている.しかし最近,超音波ガイド法での合併症が徐々に報告されるようになった.超音波ガイド法のエビデンス研究について調べたところ,ランドマーク法は,超音波ガイド法に比べ,手技の記載が簡略あるいは不明確で,標準化に問題があることが判明した.このため,研究にはバイアスが存在しているかもしれない.ランドマーク法は,穿刺に必要な解剖学的知識を合理的に運用できれば,超音波ガイド法と同等の結果が得られる可能性がある.一方,超音波ガイド法も単に超音波を用いる安易な方法では,合併症は回避できない.