日本臨床麻酔学会誌
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症例報告
妊娠27週で脊髄くも膜下麻酔施行後に急性硬膜下血腫を発症した1例
西原 紘子小坂 真子原口 靖比古田中 基照井 克生宮尾 秀樹
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2013 年 33 巻 1 号 p. 106-109

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抄録

  22歳女性,妊娠27週.切迫早産の診断で頸管縫縮術を他院で施行.脊髄くも膜下麻酔に21G Quincke針を使用した.術直後から頭痛・嘔気が持続し,術後4日で初回歩行したところ突然意識消失した.母体搬送後のCTで急性硬膜下血腫と診断され,緊急開頭血腫除去術・外減圧術を施行した.術後経過は良好で後遺症もなく,妊娠32週5日に自然分娩となった.硬膜穿刺後の急性硬膜下血腫は,まれではあるが重篤な合併症である.立位により低髄圧症候群が惹起され,過度な牽引で架橋静脈が断裂し発症したと考えられ,太い脊麻針が誘因であった可能性が高い.妊娠中の開頭手術の麻酔管理についての考察も加えて報告する.

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© 2013 日本臨床麻酔学会
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