2013 年 33 巻 3 号 p. 411-420
予定帝王切開術の麻酔管理法の現況を知るため,2011年6月に全国の大学病院および産科・小児科専門病院121施設を対象にアンケート調査を実施した.アンケートの回収率は66.1%であった.予定帝王切開術の麻酔方法の第1選択は2ヵ所穿刺法による脊髄くも膜下硬膜外併用麻酔であった.術中管理では,皮膚切開前の抗菌薬投与や輸液負荷を麻酔開始と同時に始めるco-loadの採用,昇圧薬としてエフェドリンだけでなくフェニレフリンも用いるなど,最近の産科麻酔のエビデンスを基にした麻酔管理を積極的に取り入れている施設が多く見られた.より安全で質の高い麻酔を提供するために,調査を継続しエビデンスに照らし合わせた最新の麻酔管理方法をさらに啓発することが重要である.