2013 年 33 巻 4 号 p. 589-593
プレガバリンが奏功した硬膜穿刺後頭痛の症例を経験したので報告する.症例は57歳の女性で大腸癌に対して大腸切除術が予定された.硬膜外麻酔を施行した際,髄液の流出を認めたため,1椎間頭側から硬膜外麻酔を施行し直し,全身麻酔を導入した.術後,頭高位で悪化する頭痛,嘔吐が出現し硬膜穿刺後頭痛と診断した.フォンダパリヌクスを使用しており,硬膜外自己血パッチは施行できなかった.術後3日目よりプレガバリンの内服を開始して頭痛は改善した.術後8日目にプレガバリンを中断して頭痛が再発したため,内服を再開して鎮痛を得た.硬膜外自己血パッチが禁忌であってもプレガバリンは使用可能であり,保存的治療として推奨できる.