日本臨床麻酔学会誌
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日本臨床麻酔学会第32回大会 招請講演
中心静脈カテーテル関連合併症─機械的合併症と血流感染─
萬 知子
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2014 年 34 巻 1 号 p. 011-016

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抄録

  中心静脈カテーテル(CVC)の重大合併症を防ぐため,杏林大学では(1)インフォームドコンセントの標準化,(2)穿刺資格の制定,(3)穿刺時観察記録提出の義務化,(4)マニュアル作成,(5)定期的な講習会開催,を杏林CVCプロジェクトとして取り組んだ.その結果,約4年間で当院のCVCの機械的合併症率は3.12%であることがわかった.血流感染防止対策としてはCDC 2011年ガイドラインを受け,国内製品事情も考慮し,穿刺部位消毒薬は即効性と持続効果が期待できる0.5%クロルヘキシジンアルコールを推奨した.有効な合併症防止策を推し進めるには,強いリーダーシップにより病院として組織的に取り組み,安全文化を構築することが必須である.

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© 2014 日本臨床麻酔学会
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