下肢切断術患者の術後院内死亡リスク因子について,2008年1月から2011年12月までの期間に当院で下肢切断術を施行した36症例を対象として,診療録と麻酔記録から後ろ向きに調査した.全症例が糖尿病または閉塞性動脈硬化症を合併しており,術後院内死亡率は31%(11症例)で,死因は敗血症,肺炎,脳卒中であった.術前,術中,術後の既知因子を多変量解析したところ,低アルブミン血症と術後輸血が独立して院内死亡のリスク因子であった.両者ともに院内死亡の予測因子のみならず原因因子の可能性があり,今後本研究を基にさらなる前向き研究による評価が必要である.