日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
原著論文
FloTracTM/VigileoTM を用いた目標指向型術中管理が周術期管理に及ぼす影響
伊藤 美保伊藤 健二坂本 麗仁安藤 亜希鈴木 利保
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 35 巻 5 号 p. 573-578

詳細
抄録

われわれは以前にFloTracTM/VigileoTMを用いたGDT(Goal-directed therapy)を実践し,その有用性について報告した.今回,GDTが周術期管理に及ぼす影響について検討した.対象術式は膵臓手術とした.対照群(n=24)では平均血圧,心拍数,尿量を指標にし,GDT群(n=23)では上記に加えSVV,SVIを指標に術中管理を行った.GDT群のICU滞在日数は1.3±0.6日,対照群は2.5±2.2日とGDT群で有意に短縮していた(P=0.043).術前術後のBUN,クレアチニン値は群間で有意差を認めなかった.術中輸液の適正化が,術後の早期回復に寄与できる可能性が示唆された.

著者関連情報
© 2015 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top