2015 年 35 巻 5 号 p. 622-630
カテーテル治療の麻酔計画を立案し,麻酔管理をする上では,それぞれの手技において起こりうる合併症・有害事象とその発生リスクについて正確に把握すること,各種麻酔薬が呼吸・循環に及ぼす影響とさらに不整脈診断・治療では刺激伝導系に及ぼす影響を考慮すること,手技の侵害刺激の程度を把握することが重要である.その上で,術者との連携を綿密にし,あらかじめ治療目標や手技手順などを確認しておくことが有用である.麻酔科医が管理を担う場合,多くは全身麻酔あるいはMACによる管理が選択されるが,本稿では上述の点についてこれまでの知見を紹介し,最後に全身麻酔下に行われるASO留置術における左心不全のリスクについて解説する.