2015 年 35 巻 7 号 p. 806-813
椎間板ヘルニアなどの退行性疾患に対するMRIの意義は,椎体椎間板などの形態評価と腫瘍などの他疾患除外とされてきた.ペインクリニック医にとって最も重要である疼痛責任部位の同定は神経学的評価に委ねられてきたが,大きな進歩を遂げた現在のMRI技術と最近の知見を踏まえた読影を行えば,画像側からの疼痛責任部位の推定もある程度可能と思われる.撮影に関して重要なのは,連続撮影と脂肪抑制T2強調画像であり,読影に関して重要なのは詳細な解剖学的検討に加えて,椎間板突出部の信号,椎体信号,末梢神経所見,傍脊柱筋信号の確認と考える.