自治医科大学麻酔科学集中治療医学講座
2015 年 35 巻 7 号 p. 814-818
(EndNote、Reference Manager、ProCite、RefWorksとの互換性あり)
(BibDesk、LaTeXとの互換性あり)
硬膜外麻酔後に発生した脊髄硬膜外血腫について報告する.症例は,81歳女性で,硬膜外麻酔を併用した全身麻酔下に行ったイレウス手術の術後第3病日に脊髄硬膜外血腫を発症した.緊急椎弓切除術を施行し,下肢の麻痺は改善した.硬膜外麻酔や硬膜外腔内視鏡の後に腰背部や下肢の痛みが出現した場合は,硬膜外血腫を念頭に置き厳密に神経所見を観察し,麻痺が出現したときは早期の検査と治療が必要である.