日本臨床麻酔学会誌
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症例報告
スガマデクス投与後ロクロニウムの再クラーレ化が疑われた1症例
伊加 真士清水 一好川出 健嗣金澤 伴幸西谷 恭子森松 博史
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2016 年 36 巻 1 号 p. 1-6

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抄録

スガマデクスは安全・迅速にロクロニウムを拮抗できる薬剤として広く使用されている.今回われわれは筋弛緩モニターを使用し,投与基準どおりにスガマデクスを使用したにもかかわらず,術後に再クラーレ化が疑われた症例を経験した.症例は78歳の男性で,胃癌に対し腹腔鏡下幽門側胃切除術が施行された.術中およびスガマデクス投与前にTOFウォッチを使用し,TOFカウント2を確認後,スガマデクスを3.6mg/kg投与し抜管した.その約70分後に著明な酸素化の悪化と四肢の体動低下を認め,ネオスチグミン投与により酸素化・体動の改善を得た.投与基準どおりのスガマデクス使用でも再クラーレ化の可能性は否定できないため,抜管後の厳重な呼吸の観察が重要である.

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© 2016 日本臨床麻酔学会
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