当院では全手術の進行程度を7段階(Seven Operation Steps:S.O.S.)に定義,分類し,共通尺度で表現できるようにした.つまり,Step 1 Induction,2 Incision,3 Critical/Resection,4 Lethal,5 off Critical/Reconstruction,6 Closing,7 Recoveryである.手術続行不能時,麻酔覚醒,臓器クランプ,緊急閉創,他院転送という一連の作業(Clamp, Close & Transfer:CCT)が必要となるStep 3〜5 Criticalやそのままでは致死的で次の段階までは必ず続けなければならないStep 4 Lethalを明確化できた.さらに,S.O.S.情報を電子的に管理することにより,全手術室の状況が瞬時に,一瞥で把握できるようになった.津波災害時,最大の災害弱者である手術室患者に対する本部の迅速な対応が可能になる.この仕組みの日常的な運用は手術室の運用管理や病棟への情報提供上の意義も大きい.