日本臨床麻酔学会誌
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日本臨床麻酔学会第34回大会 シンポジウム ─術後の重篤な有害事象(SAEs)に対する現状と対策:セーフティネットとしてのRapid Response System(RRS)の可能性─
術後SAEs対策のための病棟別RRSシミュレーション訓練のすすめ
中川 雅史
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2016 年 36 巻 1 号 p. 43-49

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抄録

当院ではKinan Simulation Studio(KiSS)を立ち上げ,RRS訓練を開始した.1年目は,呼吸評価,気道確保訓練を行い,2年目は,チーム医療のためのnon-technical skillのトレーニングを行った.一般的な症例をもとに訓練をしたため,重要性は理解できるが個々人の実際の問題として捉えにくい傾向にあった.3年目は,SAEsを教材にしたグループトレーニングを行った.SAEsは,手術を起点とした重症化であり,その発生パターンに時系列の特徴がある.また,悪化所見に疾患特異的な特徴がある.これらを意識すれば,一般的な病態の悪化より,増悪に気づきやすい.主に取り扱う疾患が病棟ごとに違うので,SAEsをもとにしたシナリオトレーニングは,RRSを身近に感じてもらえる良い教材である.

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© 2016 日本臨床麻酔学会
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