2016 年 36 巻 3 号 p. 375-376
デスフルランが2011年に日本で認可され,麻酔の導入および覚醒が早いことから使用が急速に拡大している.しかし,デスフルランは最小肺胞濃度が約6%と高いため,通常の新鮮ガス流量(fresh gas flow:FGF)下で投与すると,デスフルランの消費量が増加し,麻酔科医の気化器に薬液を充塡する手間を増やし,日本の医療財政への負担も大きい.そのため,低流量麻酔下でのデスフルランの投与が有用となる.低流量麻酔を用いることで,吸入麻酔薬消費量が減少し,環境汚染にも留意した麻酔が可能となる.ただ,低流量麻酔には簡単ではあるが,押さえるべきポイントがいくつかあるのでここではそれを解説する.