日本臨床麻酔学会誌
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原著論文
過去3年間における麻酔関連のインシデント・アクシデントのSHELL分析に基づく解析
市川 順子西山 圭子小高 光晴小森 万希子
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2017 年 37 巻 1 号 p. 1-5

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抄録

過去3年間の麻酔科関連のインシデント・アクシデント報告を分析した.さらに,患者に重大な障害が発生したアクシデントにつき,SHELLモデルに基づいて要因分析を行った.麻酔科関連の事故の報告内容は,与薬9件,硬膜外麻酔関連9件,手技8件,輸血5件,術中急変4件,挿管やチューブトラブル4件,体位3件,消毒1件,その他10件であった.この要因の多くは当事者やその周囲の医療関係者による人的要因であり,その一部がハードウェアや環境,ソフトウェア要因と重複していた.人的要因には,思い込み,指示確認不足,緊急事態における時間的圧迫により手順遵守を怠った,コミュニケーション不足,不十分な知識や技術,経験などがあった.

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© 2017 日本臨床麻酔学会
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