2017 年 37 巻 1 号 p. 59-66
近年手術技術の進歩と周術期全身管理の発展により,より多くの手術が世界中で行われるようになってきた.そこで世界保健機関(WHO)は手術関連の死亡・合併症を減らす目的でWHO Guidelines for Safe Surgery 2009を発表した.本稿では同ガイドラインを概説し,それに対する日本での取り組み,その遵守を含めた欧州麻酔科学会を中心とした麻酔科学分野における患者安全のためのヘルシンキ宣言とその批准の広がりについて述べ,世界における手術に関する患者安全の潮流について概説した.