2017 年 37 巻 2 号 p. 162-167
先天性心疾患の術後の患者は心内構造が変化しており,カテーテルの挿入経路の確保や心内構造の把握も困難な場合がある.今回,大静脈-肺動脈吻合手術術後の患児に対するカテーテル治療において,経食道心エコーを併用し重大な合併症を起こすことなく麻酔管理を施行し得た.大静脈-肺動脈吻合手術術後患者はカテーテルアブレーションを施行する際,心外導管によって静脈系が分離しているため,静脈系から心房の伝導系にアプローチすることが困難である.そのため,心外導管を穿刺し心房側へカテーテルを挿入する.その際,経食道心エコーはカテーテルの位置確認や誘導に有用であった.