2017 年 37 巻 2 号 p. 172-175
症例は68歳,女性.術後創部感染への抗生剤投与のため術後54日目に左尺側皮静脈から末梢挿入型中心静脈カテーテル(peripherally inserted central venous catheter:PICC)を挿入した.術後101日目,植皮術の全身麻酔導入時にPICCから投与した筋弛緩薬の効果が得られず,術後の胸部単純CTでPICCの血管穿孔が判明した.PICCから血液逆流がない場合や投与した薬剤の効果が確認できない場合,PICC先端の位置異常を疑い画像検査を行うべきである.また穿孔をきたした場合,穿孔部の止血を外科的に行う必要性や抜去後のフォローについて抜去前に入念に計画する必要がある.