日本臨床麻酔学会誌
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症例報告
抜管後に声帯観察を行うことで安全に気道管理を行えた脊髄小脳変性症の2例
山東 みな実河村 三千香大畠 博人太田 宗一郎飯田 宏樹
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2017 年 37 巻 2 号 p. 176-180

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抄録

脊髄小脳変性症(spino-cerebellar degeneration:SCD)患者は声帯運動障害による睡眠時無呼吸を合併することが知られ,全身麻酔後に出現・増悪する可能性があり注意が必要である.今回われわれはSCD患者の全身麻酔症例において,周術期の気道管理を安全に行うことができた2症例を経験した.SCDの病型を把握した術前評価や,術前および抜管後のファイバースコープによる声帯運動を含めた上気道観察は,術後早期の睡眠時無呼吸のリスク評価に有用であった.また術後,遅発性に睡眠時無呼吸が出現する可能性を考慮し,集中治療室(ICU)での継続的な観察が安全な術後管理のために必要であると考えられた.

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© 2017 日本臨床麻酔学会
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