2017 年 37 巻 2 号 p. 239-242
医療事故調査制度は,院内調査と第三者機関への報告を中心とした仕組みであり,その成否は医療界の自律性に依るところが大きい.医療事故が発生した医療機関における院内事故調査を実効あるものにするためには,地域の医師会をはじめとする医療事故調査等支援団体による支援が不可欠となる.日本医師会では,各医療機関における院内調査や支援団体による支援活動についてのマニュアルとなる資料を会内の医療安全対策委員会で作成し普及に努めている.そして何よりも重要なことは,この制度の理念を多くの医療関係者が共有し,国民から信頼される制度へと繋げていくことである.