2017 年 37 巻 2 号 p. 252-261
高齢化の進展と医療技術の進歩によりわが国の医療費は増加している.高齢化は今後も進み2025年,団塊世代の総後期高齢者入りとともに,医療需要のピークを迎える.いわゆる2025年問題である.高齢者の増加は社会保障費(年金,医療,介護,福祉,次世代支援等),中でも医療費の増加を招き国家財政を圧迫する最大要因となる.わが国の社会保障費には税や保険料等国民の所得が投入されており,国民にも社会保障制度の持続性に関しての不安が広がっている.先進国でもトップレベルのわが国の医療サービス水準を維持しつつ,国家財政とのバランスを取ろうとする医療制度改革が急がれている.医療制度改革が進展する中で急性期医療はいかに評価されるのか? また麻酔科はいかに評価されるべきなのか? 本稿では,わが国の医療制度改革の方向性と,麻酔科が強く関わる「手術」「麻酔」がいかに診療報酬等で評価され,評価すべきなのか等,その方向性や手段等を臨床現場で活躍する麻酔科医に俯瞰的に解説する.