2017 年 37 巻 3 号 p. 355-360
がん疼痛の薬物療法における非オピオイド鎮痛薬の役割は重要である.非オピオイド鎮痛薬の使用によりオピオイドの副作用軽減が可能になることもある.非オピオイド鎮痛薬は非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)とアセトアミノフェンに大別される.NSAIDsはその作用機序の特徴から消化管障害,腎機能障害,血小板障害などのリスクがある.近年,さらに心血管系のリスクも存在することが明らかになった.一方,アセトアミノフェンは肝機能障害に関して注意が必要である.本稿ではがん疼痛治療に際し,非オピオイド鎮痛薬選択に関して注意すべき点を中心に概説する.