日本臨床麻酔学会誌
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日本臨床麻酔学会第37回大会 シンポジウム ─周術期管理チームを既に導入した施設からの提案:次の一手は?─
周術期医療における薬剤師のあるべき姿とは
長谷川 哲也寺田 享志大岩 彩乃池田 貴之落合 亮一西澤 健司
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2018 年 38 巻 7 号 p. 798-802

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抄録

周術期医療における薬剤師の業務は,厳密な管理が要求される医薬品の管理を中心に発展してきた.しかしながら,薬剤師に期待されていることは,手術患者の安全と医療の質の向上のために,医師や他のスタッフと協働で薬物療法に対する処方設計・処方提案などの薬学的管理を行うことである.東邦大学医療センター大森病院では,2013年度より,麻酔科術前外来において,薬剤師が患者の常用薬を確認し,術前中止薬を服用している場合には,麻酔科医へ情報提供を行っている.また,Acute Pain Service回診へ参加し,鎮痛薬の効果や副作用の評価と,鎮痛薬の処方提案を行っている.その結果,術前中止薬を服用していることによる手術中止の件数を減少させ,手術患者の在院日数を短縮することが可能であった.周術期医療において,薬剤師は重要な役割を担っている.

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© 2018 日本臨床麻酔学会
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