2019 年 39 巻 1 号 p. 87-90
臨床研究のテーマに出会うには,日頃から疑問を持ちながら診療を行う必要がある.施設独自のルールや予測指示などは,その正当性を過去の論文や教科書で調べることで,研究テーマに出会うきっかけになり得る.診療ガイドラインは,診療に不慣れな医療者に対する道標であると同時に,いまだわかっていないことがある領域を示したリストでもあり,今後の研究が必要な分野を示している.また,症例報告はn=1の臨床研究でもあり,患者さんから得た経験や知識を体系化していく過程で,臨床研究のテーマに出会うこともまれではない.本稿では,臨床研究のテーマに出会うための方法をいくつか紹介する.