日本臨床麻酔学会誌
Online ISSN : 1349-9149
Print ISSN : 0285-4945
ISSN-L : 0285-4945
日本臨床麻酔学会第37回大会 特別企画 ─はじめての臨床研究:立案~データを読み解くまで─
実例から学ぶ無作為化比較対照試験(RCT)のピットフォール
張 京浩
著者情報
キーワード: EBM, RCT, P値, spin, 交絡因子
ジャーナル フリー

2019 年 39 巻 1 号 p. 91-99

詳細
抄録

現在の医療においてEBMを意識しない日はないと言ってもよいだろう.一方,近年は,そのピラミッドヒエラルキーの最上位に位置するRCT(無作為化比較対照試験)の結果のみが強調される風潮がある.しかし,そもそもRCTの結果のみに依存して日々の臨床をこなしていけるだろうか.また本来,EBMとは,エビデンスとしての臨床試験のデータ・医師の経験と技量・患者の特性の三つを考慮して,個々の患者に最適の医療を提供することに本質があるはずである.そこで本稿では,EBMをよりよく活用していくためにも,これまでのRCTの具体的事例を題材として,RCTの強さと限界を論じたい.

著者関連情報
© 2019 日本臨床麻酔学会
前の記事 次の記事
feedback
Top