2019 年 39 巻 4 号 p. 455-459
手術室火災(Operating Room Fire)は遭遇する可能性が高い事案であり,重要な危機管理項目である.米国ではAmerican Society of Anesthesiologists(ASA)などがガイドラインを策定して,現場の医療従事者に対して適切な知識と技術を提供する教育の機会を実現している.その一方で,わが国においては病院や手術室での災害訓練に参加している麻酔科医は非常に少なく,手術室火災についてもほとんど教育が行われていないのが現状である.患者安全が最優先される手術室においては手術室火災の予防や対応について,学習の機会を設けることが不可欠である.