日本臨床麻酔学会誌
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日本臨床麻酔学会第38回大会 シンポジウム ─日本の近代麻酔の夜明けと麻酔科医の社会的地位─
麻酔科診療報酬の変遷からの俯瞰─麻酔科医の社会的地位は?─
横田 美幸平島 潤子大里 彰二郎見市 光寿風戸 拓也
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2019 年 39 巻 5 号 p. 573-585

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抄録

麻酔科の診療報酬の変遷を俯瞰し,麻酔科医の立ち位置を考察した.麻酔科医は,その活躍や国民からの期待に沿って評価されている.麻酔料の基本,全身麻酔料(L008)の1986年を1として,2002年では1.74と大きく増加している.最近の麻酔科への逆風は,一部の麻酔科医師の不適切な行動にあるのかもしれない.この逆風の結果,麻酔料の基本部分は1.74から1.71に下げられ,それは他の部分に配分された.麻酔科の領域は広く,麻酔科医の責任は重い.この期待に応えるためには,安全性を確保した上での効率化,すなわち麻酔科医の行うべき範囲と他に任せることを明確にすることであり,そのことが調和のとれたチーム医療へと帰結していく.それを成し得たチームが,今後の変革に対応することができるであろう.

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© 2019 日本臨床麻酔学会
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