2020 年 40 巻 1 号 p. 39-43
手術はがんに対する有効な治療法の一つであるが,根治的手術であっても再発のリスクはなくなっていない.周術期の免疫機能は手術侵襲によるストレスや疼痛,術中術後に使用する薬剤の影響を受け,術後の免疫機能低下はがん再発のリスクを上昇させる.区域麻酔はオピオイド使用量を減少させ,良質な疼痛コントロールを提供するとともに局所麻酔薬の抗腫瘍効果などによりがん再発のリスクを低下させるのではないかといわれている.一部の疫学調査はその有効性を示しているが,より確実なエビデンスが求められる状況である.