2020 年 40 巻 2 号 p. 162-171
経頭蓋ドプラ(TCD)および経頭蓋カラードプラ法(TCCFI)は低周波数(2MHz)の超音波を用い脳血管の血流速度を計測する.TCDに比べTCCFIはBモードで脳のおおまかな構造が検出できる.加えてカラーモードを使用することで前大脳動脈,中大脳動脈,内頸動脈,後大脳動脈の血流が観察でき,ドプラモードで角度補正を行いながら該当血管の血流速度が計測可能である.TCD,TCCFIは脳血流自己調節能や脳血流CO2反応性などの評価と脳血管攣縮や頭蓋内圧亢進などの病的状態での脳循環の評価が可能である.TCD,TCCFIはわが国では麻酔や集中治療領域であまり普及していないと思われるが大変有用なベッドサイドモニタである.