2020 年 40 巻 3 号 p. 256-262
本論題について,アルブミン合成能と栄養療法の両面から検証した.通説に反し,アルブミン合成能は,侵襲が加わると一旦低下し,最初の2日間(急性早期)では促進されにくいが,その後,上限があるものの平常時のレベルを越え増強される(二相反応).一方,栄養療法の強化,つまりearly full feedingは,overfeedingに起因する種々の代謝性有害事象を惹起するため,長年の激論の末,ICU臨床栄養に関するガイドライン最新版において禁忌となっている.故に,結論は代替不可である.