2022 年 42 巻 1 号 p. 106-110
近年,高齢化に伴う医療需要の増加に,医療を支える若い世代の人口減少も相まって医療従事者の負担が激増しており,デジタル技術による医療の効率化が喫緊の課題となっている.われわれは治療効率向上の観点から大阪大学における産学連携活動を通して仮想現実(virtual reality:VR)技術を応用したリハビリテーション用医療機器「mediVRカグラ」を開発した.本機器は運動失調や,歩行・上肢・認知機能障害,および疼痛の治療に応用が進んでおり,業務の効率化に加えて,その高い治療効果に期待が集まっている.本稿ではゲーム分野におけるさまざまな知見が,医療機器にどう応用され臨床効果につながっているのかについて概説したい.