日本臨床麻酔学会誌
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日本臨床麻酔学会第40回大会 シンポジウム ─高齢者・超高齢者における周術期麻酔管理の特徴と問題点─
高齢者における周術期のせん妄と睡眠障害
位田 みつる川口 昌彦
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2022 年 42 巻 2 号 p. 160-166

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抄録

周術期のせん妄と睡眠障害は患者素因に環境の変化や周術期の因子が加わり生じる.術後の認知機能障害は研究により定義が異なることがあったが,2018年に明確に定義された.高齢であることは術後せん妄の危険因子であるが介入しにくい.一方で,フレイルに代表される低い身体機能や軽度認知機能障害を含めた術前の認知機能低下などは介入可能な因子として注目されている.慢性不眠はせん妄のリスクである.また,入院後に生じる急性不眠は手術3カ月後の生活機能と関係していた.当院では認知機能や睡眠をターゲットに五感と想感に働きかけるEffective Medical Creationの効果を検証している.

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© 2022 日本臨床麻酔学会
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