2023 年 43 巻 2 号 p. 137-143
レミマゾラムは最近発売された超短時間作用型ベンゾジアゼピン系の静脈麻酔薬である.全静脈麻酔法Total intravenous anesthesia techniqueを用いる際には,適切な鎮静深度を維持するため,脳波モニタリングが推奨されている.しかしながら,レミマゾラム使用中の脳波は,これまで標準的に用いられてきたプロポフォールとは,ベータ波の混入が多いこと,Burst suppressionが観察されにくい点,そして概して高い処理脳波値が算出されやすい点で異なる.このように,レミマゾラム使用中には脳波モニタリングの解釈を難しくさせる要素があるため,患者の状態は総合的に観察される必要がある.