2023 年 43 巻 4 号 p. 290-296
全身吸入麻酔下に人工膝関節置換手術を行った患者を対象として,手術終了時にオンダンセトロンを投与された群(ONDA群)30症例と非投与群(CONT群)29症例の2群間で,術後悪心・嘔吐(PONV)発生率と食事摂取量について比較検討を後ろ向きに行った.術後1日目までの平均食事摂取量はONDA群で有意に多かった.PONV発生率, 制吐剤使用率, iv-PCA中止率は,ONDA群で有意に低かった.PONVが発生した群では,PONV非発生群と比較して有意に術後1日目までの平均食事摂取量が少なかった.人工膝関節置換手術後の悪心・嘔吐と食事摂取量に対するオンダンセトロンの有効性が示唆された.