日本臨床麻酔学会誌
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高性能エンジニアリングワークステーシヨンを利用した麻酔モニタリングシステム
システムの構成とプログラム作成
片山 勝之大野 幹夫上田 光男劔物 修
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1990 年 10 巻 3 号 p. 284-293

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抄録
先天性第V因子欠乏症を合併する小児の口蓋裂形成術の麻酔管理を経験した.手術に先立ち正常血漿添加試験を行い,活性部分トロンボプラスチン時間(APTT)が第V因子活性の指標として有用であること,血漿添加によりAPTTが短縮されることを確認した.術中の第V因子補充療法として新鮮凍結血漿(FFP)投与を行い,初回補充として20ml/kg投与した.小児患者では循環系に対する容量負荷が懸念されることからFFP投与と同時に脱血を行った.初回投与後にAPTT値が40秒と改善したのを確認後,手術を開始した.術後2日間に10ml/kgのFFP追加投与を2回行いAPTT値を50秒以下に維持し,全経過を通じ異常な出血をみることもなく良好な経過を得た.
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© 日本臨床麻酔学会
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