全身麻酔下で手術を受ける患者64名を対象に,Midazolam 0.2mg/kgを単独の麻酔導入薬として使用し呼吸・循環に及ぼす影響および導入状態について検討した.さらに鎮静催眠作用のパラメーターとして有効であるとされる前頭筋自発筋電図を測定することにより,麻酔深度,効果発現までの時間についてMidazolam 0.3mg/kg投与群(14例)とThiopental 5mg/kg投与群(14例)とで比較した.その結果,Midazolam 0.2mg/kgを1分以上かけて静注した場合,催眠効果の得られなかったものが51.5%あり用量不足と判断された.Midazolam 0.3mg/kgを15秒かけて静注した場合,作用発現までの時間はThiopental群に比べ遅かったが全例に円滑で十分な催眠効果が得られた.また臨床的に問題となる副作用はみられず,単独の麻酔導入薬としての有用性が認められた.
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