日本臨床麻酔学会誌
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硬膜外モルヒネ投与により術後呼吸抑制をきたした一症例
野田 彰子門田 和気青野 允森 秀磨
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1991 年 11 巻 2 号 p. 231-235

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抄録

全身麻酔下に下腹部手術を受けた64歳の患者に,術後疼痛対策として,硬膜外カテーテルより塩酸モルヒネ3mgを投与した.モルヒネ投与3時間後より,入眠傾向,呼吸回数の減少を認め,投与6時間後に呼吸停止をきたしたため,人工呼吸下に呼吸管理を行った.術後経過および呼吸停止発現時間からモルヒネによる遅発型呼吸抑制が強く疑われた.安全な至適量と思われたモルヒネ投与量で呼吸抑制をきたしたことで,いかなる場合であっても,硬膜外モルヒネ投与後の十分な呼吸状態の観察が必要であることを痛感した.

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