日本臨床麻酔学会誌
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短時間腰椎手術における硬膜外ブプレノルフィン・リドカイン1回投与法
御村 光子久米田 幸弘服部 晶子宮沢 一裕
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1991 年 11 巻 3 号 p. 321-325

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抄録

短時間腰椎手術の患者において,ブプレノルフィン0.1mgおよび1.5%リドカインの硬膜外1回投与を全麻に併用した.術後鎮痛について,硬膜外麻酔併用群(硬麻群)と吸入麻酔薬による全麻群(対照群)とで比較した.硬麻群では全例に術直後の痛みがなかったのに対し,対照群では術直後無痛であったのは11%のみであった.対照群に比べ,硬麻群では術後の鎮痛薬投与回数が有意に少なく,鎮痛薬初回投与までの時間は有意に長かった.さらに,これら薬液の硬膜外投与を行なった場合,覚醒が良く,術後長時間知覚・運動神経がブロックされることもなく,容易に術直後の神経学的検査を行えることにも大きな利点がある.

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